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悪狗陀 狸人さんの遺書

リメンバー・フクシマ、ノーモア・フクシマ

今年は、公私共にいろんなことがありすぎて、
いろんなことを整理しないまま過ぎていってしまいそうだ。
いつの間にか、原発関連のニュースがマスコミから遠ざかり、
この国の行く先が反原発なのか、脱原発なのか、原発継続なのか、
具体的な議論もないまま、秋が深まっていく。
時間だけが過ぎてゆくけど、
今もなおフクシマの「タレナガシ」は続いているのでR。

さて、自分なりに考えてみよう。

考えないと、何も判断できないし何も行動できないからだ。
もちろんベースは、「ニャートラルでいこう」
なんだけど、反原発の本は山ほどあるけど、
原発推進の本はあまり見かけない。
(見つけた人は教えて欲しい)
感情論で書かれたエコ派、スピ系のものじゃない
科学者の立場から書かれたものから良書を探ってみた。

□『福島の原発事故をめぐってーいくつか学び考えたこと』
山本義隆著(みすず書房)
http://www.msz.co.jp/book/detail/07644.html

この著者を僕は一度だけ生で拝聴したことがある。
予備校に通ってた18歳の頃、「物理でスゲエ先生がいる」
と噂を聞きつけ、私大文系の僕がモグって聴講した。
山本氏は東大全共闘議長で、
いろいろあってスンダイの先生をやっていた。
鍼灸師になってからは、ヒトのカラダを診るためには
物の理を勉強せねばと思い、
科学史を扱った氏の著、
『磁力と重力の発見』を拝読し感銘を受けた。

『福島の原発事故〜』は百ページ弱の短い端的な表現であるけど、
反原発の論としてはこれがベストだと思う。

まず、「一 日本における原発開発の深層底流」で
その歩みを検証し、
つぎに「二 技術と労働の面から見て」
一度でも大きな事故を起こしたらそれで終わり、と論じる。
さらに、この本の出色は「三 科学技術幻想とその破綻」で
「十六世紀文化革命」から紐解きながら、
自然と人と科学の関係を考えてゆくことだ。

少々長くなるが、引用させていただく。
原子力について科学者自身が語ることにすごく意味があるし、
原子力開発に慎重だった(ゆえに、正力松太郎とぶつかった)
湯川秀樹研究室にいたこともある山本氏の言葉は重いと思う。

(引用開始)
「三月一一日の東日本の大震災と東北地方の大津波、
福島原発の大事故は、自然にたいして人間が上位に立った
というガリレオやベーコンやデカルトの増長、
そして科学技術は万能という十九世紀の幻想を打ち砕いた。
(中略)
私たちは古来、人類が有していた自然にたいする
畏れの感覚をもう一度とりもどすべきであろう。
自然にはまず起こることのない核分裂の連鎖反応を
人為的に出現させ、自然界にはほとんど存在しなかった
プルトニウムのような猛毒物質を
人間の手で作りだすようなことは、
本来、人間のキャパシティーを超えることであり
許されるべきではないことを、思い知るべきであろう。」
(引用終)

同じく、科学者の高木仁三郎氏も生前、
『原発事故はなぜくりかえすのか』(2000年、岩波新書)で
反原発の論を著している。これも同じく良書だと思う。
高木氏はもともと原子力の現場で働く科学者であったが、
後、反原発の仕事に携わる。
残念ながら、東海村の事故の後に亡くなってしまうのだが、
この書のなかで日本の原子力の現場を
「議論なし、批判なし、思想なし」と評している。
これでは、とても科学とは言えないと思う。

テレビ番組で良かったのは、ETV特集
「シリーズ 原発事故への道程 前編 置き去りにされた慎重論
 後編 そして“安全神話"は生まれた」。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0918.html

原子力政策研究会の録音テープを元に構成された番組。
『通販生活』の「原発国民投票」CMが
テレ朝「報道ステーション」枠で
NGをくらうマスコミ界のなかでは、NHKの労作だったと思う。

3・11以降のキーワードは「多様性」だと思う。

なぜなら闊達な公の議論がないからだ。
多様性がないように見せているからだ。
僕らをローティーンの頃、縛り付けた
ユニフォームは、カタチを変えて
日本の社会に見えないユニフォームを着させてしまっている。

いろんな人がいて、いろんな考え方があり、
そしていろんな生き方がある。
それでいいじゃん。
それでいいはずなのに、
この「原発問題」に関してはネット、CS番組、中日新聞(笑)
などでしか俎上に載らない。

私たちの国は今年、地震津波の被害を受けただけなく
フクシマの放射性物質を太平洋に流し海洋を汚染し、
大気中に放出した国だということを忘れてはならない。

すぐにでも「瓦礫の中のゴールデンリング」を
見つけにゆくべきでR。

2011年11月24日悪狗陀 狸人

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