レッド石黒さんの総括
愛読書 第6位
悼む人
あの市橋容疑者も愛読していたという天童荒太の直木賞受賞作品。
主人公、坂築静人をとりまく3人の登場人物のうちのひとりに奈儀倖世という女性がでてきます。
仏様の生まれ変わりとまで言われていた夫を殺害し、まわりから鬼畜扱いされて刑務所に収監されていた彼女でしたが、ページを追っていくうちにその真相が明らかになってきます。
本当のことは、マスコミやワイドショーの視聴者になどわかるべくもありません。
静人はそれでもただ淡々と、「誰を愛し、誰に愛され、そして誰に感謝されて生きてきたか」を尋ねて死者を悼み続けます。
もし静人がbochiに登録してくれてたら、さぞかし仏間を有効に使ってくれただろうな、と思いつつ、最後まで興味深く読ませていただきました。
(2009年12月09日掲載)
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