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やすのりさんの遺書

ワカサギ釣り

「父と子二人でワカサギ釣りですか・・・。」
「えぇ、まぁ・・・。」
「いやぁ、うらやましいですな。私には子どもがいないから・・・。あなた達みたいな事、したかったなぁ・・・。」
諏訪湖でボクらの隣で釣りをしていた、50歳ぐらいの白髪の男性が声をかけてきた。
「お子さんおいくつですか?大きくなっても今日のこと覚えてるんじゃないですか?いやぁ、覚えててほしいなぁ。いや、きっと覚えててくれてますよ」 と、その白髪の男性は興奮気味に話す。

「どちらにお泊りですか?」
ボクは湖畔沿いの見るからにボロボロの宿を指差し、
「親子二人で素泊まり4,000円のあの格安宿ですよ。男同士だからあぁいう宿もいいかなと思って・・・。」
「私もあそこよく利用するんですよ。値段の割にいい宿ですよね」
「おじちゃんも泊まったことあるの?ボクあそこ気に入ったよ。お風呂に花も飾ってあるし!」
恥ずかしがっていた6歳になる息子が急に話しに割り込んで来た。
その後、午後1時半までその白髪の男性と、お互いの他愛も無い身の上話しをしながらワカサギ釣りを楽しんだ。
諏訪湖はワカサギ生育保護のため、冬場の12月から釣りは午後1時半までと決められている。

「ボク、今日はあまり釣れなかったけどまた諏訪湖に来るかい?」
白髪の男性はしわくちゃな顔をして、やさしく息子に話しかける。
「うん!ぜったいくる!」
「そうか、また会おうな。おじちゃんとまたワカサギ釣りしてくれるかい?」
「もちろんだよ!約束だよ!ぜったいだよ」
「わかった、おじちゃんとボクとの約束だ!でもボクのお父さんはいろんな所に連れてってくれるほんとうにいいお父さんだね」
その白髪の男性はこちらに目配せをし、こんな感じでどうでしょうという顔をした。

2009年1月8日やすのり

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