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ピンコロ運動

とにかく金華山は何十年と登り続けている人が多いのは
何日か前の日記に書いたけど、
そこまでして登り続けるのはいったいどうしてなんだろう。

金華山といえどもけっこうしんどい。
初心者の人でも楽しんで山登りできる「瞑想の小径」だって、
後半から静かに始まる心臓やぶりの階段地獄に、
瞑想なんてしてられないくらい必死になる。

そんな道を年配の人達は片手に杖（ストック）を持ちながら歩いているのだ。
話す機会があれば、
「暇やで毎日登っている」と笑いながらそう答える。

理由がやっとわかった。
みんながみんなそうじゃないかもしれないから、
理由のひとつがわかった。

ピンコロ運動。
金華山に登り続けると、ピンピン生きてコロっと死ねるらしい。
そう教えてくれたおじいちゃんは、60歳から登り始めて現在72歳になる。
その日が来るまで登り続けているけど、もう12年も経ってしまったって。

生まれてきたものすべて、死をもってその肉体を終える。
その段階をどのように迎えるのかは35のあたしでもけっこう気になる。
なるべく苦しみたくないし、苦しんだとしてもなるべく短い方がいい。

金華山に毎日元気に登りながら、
死を待つのも悪くないなぁ〜と思った。

2009年11月6日ちづえ14世

※ちづえ14世さんは現在存命中です。ちづえ14世さんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。