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ちづえ14世さんの一般公開遺書一覧RSSフィード

ちづえ14世さんの遺書

人間ドック

人間ドック終了。
結果は別の話しとして、何とかやりきった。
あたしは10分前に受付をすませ、5番という番号を与えらた。
そしてすべての検査が流れ作業のように進んでいった。
スタッフの人も毎日の事で手際良く、その手際の良さが、
初めての私にはちょっとした不愉快を感じたわけで。

マンモグラフィーは、上下に挟むと思っていた。
肩を覆うぴんくの小さなケープを羽織って、
機械を抱きかかえるように左右から挟まれるのだ。
そうか、これなら胸の大きさに関係なくちゃんと挟めるのか。
よかった、すごく痛いのを想像していたから、
そこまで痛くなくてほっとした。
にしてもあのぴんくのケープは邪魔やな。
ぴんくのケープを気にする分だけの時間がかかるだけや。

順調に検査を終えて、あとはバリウム検査のみとなった。
終わった人から順番にお水やお茶を飲んでいる。
いいな、あたしののどはカラカラだ。
あたしはうまくバリウムが飲めるんだろうかって。

待っている間にバリウム検査のやり方のポスターを読んだ。
そうか、バリウムの量が少なくなったのか。
え?体を自分で動かさなきゃいけないのか。

番号と名前を呼ばれて、いざバリウム検査へ。
胃を膨らますための発泡剤を少量の水で流し込む。
ゲップは大丈夫みたいだった。
第一関門、うまく突破できたわ。
それからアイスコーヒーのシロップ入れサイズの容器に
バリウムが入っていて、それをぐいっと流し込む。
こんなに少量?
これはへっちゃらでしょ・・・よかったぁ〜。
第二関門、余裕で突破ね。

それから機械に乗って、検査開始。
「じゃあそこのバリウムをごくっと1回飲んでください」
まじで〜!
機械の横にドカンと残りのバリウムが設置してあった。
そうか、少なくなったとはいえあれだけのはずないわな。

「もう一度ごくっと1回飲んでください」
味はともかく、何とかごくっと流し込む。

「じゃあ残りのバリウムを全部飲みほしてください」
だよね。やっぱそーくるよね。
中々のどの奥に入っていかないもんだから、
少し時間をかけながら飲んでいたら、マイクを通してせかされた。
いやいや、がんばって飲んでいますとも。
私のペースで飲ませてくださいよ。
おえっと何度もしながらなんとか飲みほしてやった。
第三関門、どうにか突破できた。

で、機械が動きだした。
ウイーンと台が水平になり、
その体勢で右回りに体を回転させろと言う。
とりあえず右に回ってみた。
「上体を起こさないでください」って。
上体を起こさないで回転するのは不可能やん。
だいたいスペースがなさすぎるやん。
スペースがない分手で支えて回転しなきゃいけなくなるから、
上体が起きてしまうのは当然やん。
いったいどーゆう風に回転していいのか、
私にはさっぱりわからなかった。

また「上体を起こさないでください」って。
だったら正しい回転の仕方を見せてくれっつーの。
意識して上体を起こさないようにしても起きてしまう。
なんかどんどん悲しい気持ちになってきた。
それからどっと力が抜けてもうどうでもよくなった。
うまく回ろうとしなくなった。

とりあえず機械は元の位置におさまって、検査が終了した。
第四関門まであったとは、あたしは知らなかった。

あんなに飲みたかった水もどうでもよくなっていた。
正解のやり方さえもわからず、ただひたすらに間違ている事を間違っているなと思いながらやり続けるのはけっこうこたえる。

服を着替え、昼食を断って家へ帰った。
それからじゅーたんに横になって、
水平に保たれた機械をイメージして、
どーしたらうまく回れたのかをやってみた。

以外とすんなり回れた。
なんであの時回れなかったんだろう。
何度もじゅーたんで回転してみた。

何でうまく回れなかったんだろうという気持ちを
次はうまく回れるに変えて、やっと私の検査は終わった。
いやいや次のバリウム検査でうまく回れた時、
本当の意味で終わるのかもしれない。

要はできたという自信だ。
私は初めてのバリウム体験を通じて、
まるでアスリートの気持ちを味わった。

え、これ何の話し?

2010年3月7日ちづえ14世

ちづえ14世さんは現在存命中です。ちづえ14世さんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。

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