ちづえ14世さんの遺書
胃カメラ検査
検査が終わって、
とりあえず心配をかけていたお母さんに連絡をいれた。
「胃カメラ検査、大丈夫だったよ。
やっぱり発泡剤の膨らみが悪かっただけみたい。」
「よかったわぁ〜」
「あとは自分の体の心配だけしてね。」
「ありがと、ありがとう。」
あたしは親孝行を全うして、
しかも大した事もなくてほっとしていた。
初めての胃カメラ、うまくできたと思う。
喉に麻酔をするため、麻酔液を5分くらい喉に含ませておくんだけど、その間外で会話が聞こえてきた。
何の話をしているのかわからなかったけど、
「ちょっとだけ我慢してもらわないと検査が進んでいかないから、ちょっとだけがんばってくださいね」って。
それはあたしにもあてはまる言葉で、
そーや、がんばらなあかんなと思った。
おえっとなりかけたけど、多分ちょっとだけがんばって、
なんとか5分間を耐えた。
検査室に入ると、緑色の手術っぽい衣装をきた先生と佐野先生がいた。
今日はよろしくお願いいたしますとごあいさつをしたら、
先生は「緊張しなくて全然大丈夫だからね」っと言った。
佐野先生がいてくれる安心感であたしの緊張は嘘のように消えていた。
ズボンのボタンを1つはずして診察ベットに横になる。
よだれがたれてもいいように受け皿を設置。
マウスピースみたいなものを噛んで、いよいよカメラ挿入だ。
初めての感触でただ気持ち悪かったけど、痛みとは違った。
おえっとなる瞬間は1.2度あったけど、
その度に「ここ気持ち悪い所だからちょっと我慢してね・・・はい終わったよぁ〜。」
目をつむって懸命に耐えた。
早く終わってくれとそればかり考えていた。
「つぎ空気入れていくからねぇ〜。」
「胃の出口を見るからねぇ〜。」
「鼻からゆっくり息をすって」
「もう少しで終わるから・・・」
「はい、ここ気持ち悪い所だからちょっと我慢してね」
プシューっと空気を入れる音と先生の声、
私は完全に自分の身をあずけて冷静にその音と声を聞いていた。
「はい、終わったよ。うまくできたよ、おつかれさまねぇ」
時間にしたら多分5分ぐらい。
耐えた〜!
無事胃カメラは終了し、
私は先生にありがとうございましたと言った。
要は恐怖心だ。
初めての体験につきまとう恐怖心を
いかに取り去るかという事だと思った。
大丈夫、あたしにもできると思わせてくれる事で、
ぐっと恐怖心が小さくなるのだ。
初めての胃カメラ検査が佐野先生でよかった。
ただ嫌で嫌でたまらなかった胃カメラへの恐怖心は、
佐野先生のおかげでなくなって、
しかも、もしこれから初めての胃カメラ検査をひかえている人たちに、あたしが佐野先生役がつとめられるかもしれないと思うと今日の日のこの経験はとてもよかったんだと思えた。
2010年3月24日ちづえ14世
※ちづえ14世さんは現在存命中です。ちづえ14世さんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。
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