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初先発とロッテ戦

「今日、頭から行くからな」
コーチから初の先発を告げられたのは試合開始直前。
息子は、よしやってやると気合が入ったという。

１回の表
フォアボールや守備の乱れなどで、いきなり満塁のピンチ。
しかし、ここからピッチングが急に変わる。
腕の振りがするどくなり、球にキレが出始める。
そして後続をピシャリと抑え、何とか０点に抑える。

２回の表
この回もランナーを出すものの何とか0点に抑える。

２回を投げて、お役ご免になるはずだった。
しかしコーチから、
「あと１回いけ！」とGOサイン。

３回の表
この回もランナーを出すものの、無失点に抑える。

フォアボールや安打を重ね、味方打線は５点を入れ、
３回を終えた時点で５対０。
このあと２点を加え、完全にこちらのペースだった。
しかし勝利の女神は簡単には微笑まなかった。
最終回、相手打線がねばりを見せ、７対４まで詰め寄る。
尚もノーアウト満塁。
そこでコーチが思いもよらぬ采配をみせる。
マウンドに上がったのは再び息子である。
父親としてドンと構えていれば良いものの、
心臓が破裂寸前で、神にもすがる思いとはこの事と
実感した次第である。
押し出しフォアボールで１点を許し、７対５。
もうこんなの御免だ、勘弁してくれと親の思いとうらはらに、
最後のバッターをサードゴロに抑えゲームセット。
なんとか勝利をものにした。

こんな試合、身内の人間には体に悪すぎである。
あいにゃんさんのジュニアが、いてくれたらと何度思ったことか。
中日対ロッテ戦など行ってる場合ではないのです。
今後、欠席は御法度です。

2010年6月5日やすのり

※やすのりさんは現在存命中です。やすのりさんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。