やすのりさんの遺書
敗戦投手
「これが本当に幼稚園児なのか…」
感嘆の声を出した。思わず驚愕した。
リストの使い方。
腰の入り方。
バットスウィングの速さ。
打球の力強さ。
それは、幼稚園児の領域をはるかに超えていた。
まだ息子が幼稚園児だった頃、
息子を迎えに園に行ったときのこと。
10人ぐらいの園児が、園の中庭で野球をしていた。
その中でほかの園児とは、異次元の上手さと器用さを
持ち合わせた2人の園児を見つけた。
その2人の動きを目で追った。
その2人しか視界に入らなかった。
あれから2年。
その2人のうち、1人が息子と同じ野球のチームメート。
もう1人がその日の試合の、相手チームの主力選手であった。
その試合、先発した息子はボコボコに打たれ、
人生初の敗戦投手になった。
意識は朦朧として、廃人のごとくマウンドに立ちすくんでいた。
人生、うまい具合に行かないこともある。
その日の試合で、息子はそれをたぶん実感したことだろう。
幼稚園の同級生対決という、因縁めいた試合。
試合結果は残念ではあるが、
良い経験をさせて貰ったと、非常に満足している。
そう、人生ってうまくいかないことばかりなのである。
2010年9月5日やすのり
※やすのりさんは現在存命中です。やすのりさんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。
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