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新井良太

「ほしい？」
傲慢な感じはかけらもなく、
あくまでも謙虚な態度で、
新井は息子に問いかけた。
今年の夏、ナゴヤ球場での２軍戦。
新井はネット越しにボールを息子に投げた。
飛び上がるくらい喜ぶ息子。
ずっとそのボールは大事にしいてる。
息子の宝物になった。

その新井がトレードで阪神へ行くことになった。
実績を残せぬまま中日を去る事は、さぞかし無念であろう。
正直、新井がいなくなってもドラゴンズとしては、痛くもかゆくもない。
はっきり言って、それまでの選手である。
新井を獲った阪神も、４番を打つ兄との共演という
話題づくり的な要素が高いのではないか。

新井は実績と反して、ドラファンからの支持が高い。
先日のファン感謝デーでも、新井の回りに人だかりができた。
他の２軍の選手には見られない光景である。
人間味あふれる行動、プレイが人の心をうつのだろう。
ボールをくれたからという理由だけではない。
あの「ほしい？」という一言が、私の心にもずっと残っている。

最初は代打要員であると思うが、少しづつ結果を残し、
ドラゴンズで成しえなかった、レギュラーというものをつかんでほしい。
新井の阪神での活躍を心から願う、2010年の年末である。

2010年12月27日やすのり

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