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やすのりさんの遺書

S1グランプリ

3年2組だからサニー。
息子のクラスは自分たちのことを「サニー」と呼ぶ。
担任による命名らしい。
少々サムい感じは歪めない。
その少々おサムい担任は、
小学校のお母さん達から絶大なる支持を得ている。
理由はイケメンだから。
その少しおサムいイケメン先生は、
お笑い好きらしい。
教師よりも芸人になりたかったらしく、
今でも真剣に芸人を目指しているという
嘘っぽい話を息子から聞いた。
「嘘だろ?」
と、息子に問い直すと
「ほんとだって!ほんとなんだって!」
とムキになって言う。
どうやらお母さん達だけでなく
子供からも信頼されているようだ。

その少しおサムイいイケメンお笑い好き先生は
ホームルームの時間に、ある企画を子供たちに提案した。

「S1グランプリ」

子供たちにお笑いライブをさせグランプリを決める。
出場は希望者のみで、プロ・アマ・ジャンルは問わないらしい。
この「プロ」の部分にまたサムい感じがしたが、
S1グランプリの「S」はサニーのS。
これは決してサムくない。

お調子者の息子は、当然出場に意欲満々で、
相方にクラスで一番のイケメンの友人を誘い
コンビを組んだ。
その日から、息子のネタづくりが始まった。
来る日も来る日も、あぁでもないこうでもないと
ネタを考えている。
職業柄、ついつい声をかけてしまう。
「ちょっと見せてみろ」
と息子からそのお笑いの台本を取り上げた。
少しツメが甘い部分はあったが、決して悪くない。
「おぉ、まぁまぁやんか」
とだけ言ってその台本を息子に返した。

サニーの中で5組がエントリーし、
物まね、漫才、コントなどで競いあった。
グランプリはクラスの投票によって決める。
ちなみに、息子たちの結果は準グランプリ。
準グランプリと言ったら聞こえはいいが、5組中2位である。
ちなみにグランプリは、化粧をほどこし
お腹の中に風船を入れ、マツコデラックスのマネをした
組が獲得した。

少しおサムいイケメンだけの先生だと思っていたが、
この企画はナイスである。
やらされてる感ありありの学芸会より、
よっぽど子供達もやりがいを感じるであろう。
学芸会には二度と足を運ぶまいと、心に強く誓っているが
この「S1グランプリ」なら、会社を休んででも見てみたい。
是非次回は一般公開ライブにして頂きたいものである。

先日、偶然にもその少しおサムいイケメンお笑い好き先生と
電車で乗りあわせたことがあったが、
向こうから声をかけ、丁重な挨拶で迎えられた。
なぜ自分のクラスの父兄だと、分かったのかが不明であったが
私の中で赤丸急上昇の、少しおサムいイケメンお笑い好き先生
である。

2012年2月9日やすのり

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