ちづえ14世さんの遺書
水
実家に帰る日は、百々ヶ峰に登ってから帰るのが恒例です。
百々ヶ峰は、東海自然歩道が通っているので、
俯瞰で自然を楽しむのにはもってこいなのです。
ゆるーい坂道になっていて、
気分が良ければ会話だって楽しむ事ができます。
梅雨、雨あがり、湿度はMAX!
こんな日はつらい。
ポタポタと汗は流れ落ち、リュックを背負った背中はびちょびちょです。
いやいや、自然を楽しむ余裕なんて今日はないし。
いっそ雨でも降ってくれれば気持ちいいのに。
ひるむな、その一歩が道となる!
これ、いつかのTV番組「ルート66たった一人のアメリカ」からの言葉ね。
右手を高く上に上げ、喝を入れること数回、頂上に到着。
だんなさんはお気に入りのリュックに水をしょって登る。
2Lペットを3本ね。
私とのハンデを埋めるためだの、トレーニングだの理由はさておき、
いつもは捨ててしまうだけの水を、頭のてっぺんから浴びてみた。
うひょー、気持ちい〜い!
こんな使い道があったとは・・・。
つらいんだったら捨てちゃえばいいのにってずっと思ってた水、
登り終わるとすぐ捨てる、錘がわりの水、
よくわからなかった水の存在が、たちまちありがたいものに。
帰り道には、水車がある。
山水が竹を伝って水車をまわす、ちょっとした水場だ。
いつもは手ぐらいしか洗わなかったのに、
ここでも頭から水をかぶる。
存分に水を浴びる。
そーや、水は飲むもんで浴びるもんや。
つまりそれは「生」そのものや。
大いなる喜びや〜!
あまりの暑さでテンションがおかしくなる、夏の日の山登り。
2012年7月17日ちづえ14世
※ちづえ14世さんは現在存命中です。ちづえ14世さんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。
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