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ちづえ14世さんの遺書

ひろし君とひろし君

友達の会社のホームページ制作のお手伝いをしています。
その日はサイトに使用する写真の撮影に行ってきました。

友達のひろし君は、週末開催されたお祭りの出し物、流しそうめんの竹を掃除していました。
商工会の青年部長をしているので、週末はよくお祭りでいろんな出し物をするそうです。
「すごいやん、本当の竹やん!」
「すごいやろ、そのために切ってきたんやん。」

と、そこへ子供が「何やっとるの?」と話しかけてきた。

私はもちろんひろし君の知っている子だと思って
「週末お祭りで流しそうめんしたんやって、その竹を掃除しとるの。」
「へぇ〜、楽しそう」
なんやかんやおしゃべりをして、実はその子はひろし君の知り合いでもなんでもなかった。
プール帰りの近所のがきんちょが何かおもしろそうな事やっとるわって話しかけてきたのだった。
「今いくつ?」
「4年生」
「何?プールかなんかの帰り?」
「うん」
「名前なんていうの?」
「○○○○ひろし」
「ひろしって言うん、このお兄ちゃんもひろしやで」

会社の前で立ちばなしもなんやから部屋の中でジュースでもって事で。
「すごい、かっこいい」
「お兄ちゃん建築やさんやから作りたいように作ったんやで」
「うちのお父さんも大工しとるよ」

それからハムレットをやった。
私は小さい頃このハムレットが大好きやったのを思い出した。
オセロが縦になったみたいなやつで、4つ揃えた方が勝ちのゲームだ。
まず私が圧勝、私は王と呼ばれた。
子供だろうが初心者だろうが全然手は抜かない。
何度か対戦して、とうとう私は負けた。
子供の学習能力の高さ、あなどることなかれ。
めきめき強くなってまた王に帰り咲いた時は本気でうれしかった。

しまった、楽しすぎて全然仕事してない。
あかん、撮影せなあかんのや。

気づいたらもう私とひろし君が来てから1時間半はたっていた。
「お母さん心配してない?プールって出てきたんやろ」
「大丈夫やろ」
「学校楽しい?」
「普通、でもあんまり楽しくない」
「義務教育やから中学まではいっぱい勉強せなあかんな」
「ぼく高校行きたくない」
「そやったら手に職つけなあかんわ、なんかこれやってのを見つけたらええんちゃうの?」

夕方5時を回って、ひろし君は帰っていった。
「ばいばい、またね。」

しまった、多分ひろし君はプールの帰りにまた寄るに違いない。
その時多分あたしはいなくて、多分みんなは仕事中や。
無責任すぎたんやろか、あたし。

とにかく撮影も終わり、もらうデータも受け取りお仕事終了。

夏はいろんな事がおこる。
しかもあっちからやって来る。
ものすごい勢いでやってきて、無事帰っていく。

まったくそんな季節や。

2012年8月22日ちづえ14世

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