レッド石黒さんの遺書
さらばマルサス
町の様子がどうもおかしい。
高齢化が進むこの町で普段見かけるのは犬の散歩をする老人くらいなのに、今日ばかりは10代前半とおぼしき女子がうようよしている。
そうか、今日は天下のバレンタインデーなのだ。
例年は平日で仕事に行ってて気づかなかったが、バレンタインデーというものは少年少女にとってこれほどの祭りだったんだ、と再認識。
しかし待てよ、何かおかしい。
男子の姿を全く見ないのだ。
中にはチョコをもらったとたんしっぽり肩を並べて歩く男子がいてもいいはずなのに。
町全体がAKB48劇場のステージのように見える。
たくさんのチームが目の前を満面の笑顔で通り過ぎていく。
チーム?
そもそもなぜバレンタインデーにチームが必要か?
バレンタインデーとは1対1の対マンイベントではないのか。
あるいは虚無僧のように複数の男子の家を回り歩くのもありかもしれない。
しかしそれはあくまで個人プレーの領域であるはずだ。
???
そうだ、こんな時はグーグル先生だ。
「義理」より「友チョコ」 手作り材料人気
http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=2900000100213...
明治製菓「男子&女子 みんなの本音レポート」
http://www.choco-recipe.jp/milk/recommend/report/valentin...
うーむ、友チョコですか。
不況下における製菓会社の新たなマーケティングってのは理解できます。
しかしかつて日本のバレンタインデー創成期がそうであったように、時代のニーズとある程度マッチしないことには、大衆はそうそう踊らされないはず。
果たしてこれは18世紀、「異性間の情欲は必ず存在する」という前提をもとに『人口論』を展開したマルサスに対する完全否定なのではないでしょうか。
「少子化」やら「年金」やら「GDP」やら、目先のことしか考えられないのは大人の事情。
「地球にやさしい」とか本気で考えるなら、人間の数を減らすのが一番いいに決まってる。
彼女たちは本能的にそれを感じとって実践してるのかもしれません。
かくしてバレンタインデーは種の保存を促進するための近代的イベントであるというこれまでの認識を根底から覆された1日となりました。
2010年2月14日レッド石黒
※レッド石黒さんは現在存命中です。レッド石黒さんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。
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