ekkoさんの遺書
普通の生活の大切さ。
震災がおこってから・・・1ヵ月以上が経っています。
復興に向けて・・・いろいろな人たちが、いろいろなところで、いろいろな形でがんばってくれています。
そして・・・私たちのような、被災地から遠く、このたびの震災から影響を受けていない人たちは、少しでも普通の生活をして経済を動かして、復興の力になれるようにしなくては・・・と思うわけです。
でも・・・現実には、会社の機能が麻痺してしまったりしていて、休業したり廃業してしまったり・・・難しい状況を送っている人たちも、たくさんいます。
いとこのおばさんたちが、コツコツとやっていた内職も、まったくなくなってしまいました。
うちの実家の母も、トヨタの下請けの工場なので・・・休みの日が続いています。
話は・・・ガラリと変わって、うちの息子の話をします。
息子は、現在小学校4年生で、来月10歳になります。
息子は、約1年前から・・・週に何回か、めまいをおこすようになりました。
最初は、そんなに心配ではなかったのですが・・・体育の授業が受けにくくなってきたので、大きな病院で検査をしてもらうことになりました。
MRIと血液検査をおこなったのですが・・・とくに異常がなく、精神的なものかもしれないので、様子をみることになりました。
そして・・・半年が経過したのですが、状況は以前と変わることがなく・・・頻繁に短いめまいをおこしていることを本人から聞いたので、新学年を迎える前に、もう一度病院に連れて行くことにしました。
今度は・・・脳波の検査をおこなったのです。
その結果・・・少しですが、右の後頭部側、視神経の位置に異常が見つかりました。
病院の先生の診断結果は・・・「小児てんかん」ではないか・・・とのことでした。
「小児てんかん」・・・てんかん・・・言葉を聞いて、正直・・・驚きと怖さが一緒になって・・・胸が苦しくなりました。
倒れたことも、意識を失ったことも・・・まったくなく、ただ・・・ただ、めまいが・・・たまに、おこっているだけなのに・・・。
そうです・・・息子は、普通の子供と同じように・・・生活ができているんです。
でも・・・いつやってくるか、本人にもわからない・・・短いめまいに、おびえているんです。
そうしたら・・・普通の生活は・・・どうなるのでしょうか?
息子に関しては・・・今、病院の先生と相談しながら、投薬治療などをおこなったりして、様子を見ています。
震災の復興や・・・日本の経済のこれからも・・・いろいろな人たちが、いろいろと相談しながら、これからを考えていかなくては、始まらない。
息子も・・・これからの日本も・・・普通の生活を送るために、手探りの状態だと思うんです。
普通の生活ができる・・・そんなきっと、単純だと思っていたことは・・・本当は、すごく大変で大切なことなんだな・・・と、今になって実感しています。
2011年4月22日ekko
※ekkoさんは現在存命中です。ekkoさんの一般公開遺書アーカイブはこちらです。
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