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悪狗陀 狸人さんの遺書

魂のヒエラルキーなどあるものか

憤ったことがありました。

僕は不思議大好きだし、
もちろん「目に見えない世界」はたしかにある、って思うんだ。
宗教的にはノンセクトだけど、
カミってものがあるってことは信じている。

確かにそういった世界への興味は尽きない。
理由は、立花隆氏の著書『生、死、神秘体験』の
序文のなかで書かれていることとほとんど同じだ。
簡単に言うと、
人がなぜ生きているかということを知りたいのだ。
テレビや新聞ではわからない
「せかいのひみつ」を知りたいんだ。

だけどなんの因果か、
いま鍼灸師という業に就いてしまっているので、
できるだけ「目に見える世界」の話をしようと心がけている。
元来、鍼灸は「アングラ」だからである。

そして「ゲノム広場」で遊んだり、
「ニセ科学フォーラム」を拝聴したりしていているのは、
科学する目を持たないといけないな、と思っているから。

なぜ人のカラダに鍼を刺して治るのか、
という問いに現在の科学は明確な答えを出せない。
おそらく、どんなに科学が進んでも
答えは出ないかもしれない、と思う。

でも臨床では治ってしまうことが多い。
ここが厄介なとこだ。
治る理由づけについては百家争鳴。
いろんな人がいろんなことを云う。

それはそれでいい。
でも治療家自身が声高に不思議な話を吹聴するのは
やめて欲しい。
だって、誰にも否定はできないじゃないか。
いかがわしくったって。

こんなことがありました。

ファミレスで50代の中堅鍼灸師が話す。
お会いしたのは2回めに過ぎない。
自分が選ばれて鍼灸を志したかのようなプロファイル。
20代の終わりの頃、UFOを見たんだと。
いまは仙人を目指しているんだと。

その中年の男の手とカラダは、僕には硬そうに見えた。

ハンドヒーリングとかさ、
自分の手から力が出るとかさ、
自己催眠にかける言葉のこととかさ、
そういうことって確かにあるけど、
その前にやることが沢山あるんじゃないかな、と思う。

鍼灸師は職人だ。
鍼を上手くさせないで、
手で硬いとこをほぐせないで、
不思議な力に頼っちゃいかんだろ。
いったい自分をなんだと思ってんだ。

大学生の頃、僕の好きだった村上春樹の短編小説、
『午後の最後の芝生』にこんな言葉があった。
「僕の求めているのはきちんと芝生を刈ることだけなんだ」
それでいい、と思う。

2008年11月23日悪狗陀 狸人

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