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悪狗陀 狸人さんの遺書

3.11以降の世界、宮城県伊貝郡丸森町ひっぽ字

東北に行って来ました。

訪れたのは、いつも僕がお味噌を買っている「ひっぽ」。
http://www.h2.dion.ne.jp/~soyamiso/
「ひっぽ」の奥さん、ミコさんは
僕の鍼灸学校の大先輩にあたる方です。

宮城県に位置する「ひっぽ」ですが
福島県との県境に近く、
ということはフクシマ第一原発爆発の
いわゆるホットスポットになってしまっています。

機会あれば東北にと思ってましたが、
3.11以降の世界を皮膚で感じることができました。
そこには、テレビや新聞だけではわからない
「リアルな現実、本気の現実」がありました。

まず、放射線量のこと。
「ひっぽ」の家には、ガイガーカウンターが二機あります。
(α、γ、β線を測れます)
「ここ線量高いんだよね、測ってみる?」
雨樋の下、12マイクロシーベルト。高っ!
「除染してるんだけど、手が回らないんだ」
ご主人の話だと、田んぼは1200ベクレル。
4人のお子さんたちは、東北大学から支給された
積算計を首から下げて小学校に行っているそうです。

行政が何もしてくれないから、
地区の住民達で線量を測って汚染マップをつくったそうです。
全員で19人しかいない小学校の校長先生も
何もしてくれないそうです。

おばちゃん達は、地震津波放射能の話を普通にします。
ホントにお茶飲み話のように、普通にします。
孫が避難してた体育館で津波にあって、演台にしがみついて
危機一髪助かったと。
高台へ向って渋滞していた道路を
車で逆車線を飛ばして助かったと。
今日はしいたけ売ってたけど、
宮城は線量測ってないべ、危ないべ。
まつたけも蔵王で売ってたけど、アレ測ってる?

同じ地区で有機農業をやっている仙台からの移住のおばさんは、
線量が高いから今年は自分たちの分だけ、除染の植物を植えて
来年どうするかはまだわかんね、と言います。

なんだか、大変な状況です。
以前は、移住避難の方法もあるかと思ってましたが、
農業、第一次産業に携わる人々は逃げられない、
そこから去ることは死ねということとイコールだな、
と思いました。

ただ、子供たちは元気です。とても元気です。
割り箸鉄砲で攻撃されました。(笑)

2011年9月21日悪狗陀 狸人

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